全般発作のブログ

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【さよなら】パンツ、引退会見【全俺号泣】

 

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一枚目:ブルックマン
現役16年目、浪人生活時代からの付き合い、幾多の筋トレとランニングと自転車に耐える


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二枚目:UNIQLO

現役16年目、浪人生活時代の勉強の一割以上を共にした


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三枚目:Lee
移住生活で慣れない中の激しい運動を共にした
みんなありがとう 

ADHDの薬物治療はてんかん発作を増やさせない // 国際てんかん連盟

ADHDの薬物治療はてんかん発作を増やさない|2019年2月 国際てんかん連盟

【要約】

スウェーデンコホート研究によると、てんかん発作のリスクは、ADHDの投薬治療を行っても増えないことがわかった。てんかんに加えてADHDを併発している人は多いが、ADHD治療薬の医薬品添付文書に記載された「てんかん発作の危険性」からADHDの投薬治療をためらう人は多いと考えられる。しかし、投薬治療を行っても発作のリスクは増えないことが実証された。

ADHD medication does not increase seizure risk // International League Against Epilepsy

スウェーデンで行われた大規模なコホート研究では、21000人以上のてんかん患者の中から8年間に渡って診断を受けている1605人を追跡調査した。同様に、その中でスウェーデンの診断基準でADHDの投薬治療を行っている人も8年間追跡調査した。

発作回数を分析したところ、ADHDの投薬治療を行っても、投薬治療前後と比較してもてんかん発作のリスクは増えないことが分かった。むしろてんかんは生じにくくなっていることが分かった(下図、上から二段目と三段目の結果が投薬治療前。上から四段目と五段目が投薬治療後。)

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図はADHD投薬治療前後の、個人の急性てんかん発作の相対危険率 (IRR) を基準値と比較したもの。995人のてんかんの履歴から計算している。 BrikellI ら、2019。

「個人の間でリスクを比較するとなると、あまりに多くのことが絡みすぎて、明確に言えることなんてほとんど無くなるんですよ」と研究者のケルシィー・ウィッグス、インディアナ州立大学医学博士。「だから単純化しなくちゃいけないわけです。薬を使っているのか、使っていないのか。そうして他の影響を除くわけです」


他のグループでも、同様にてんかん発作の頻度とADHDの投薬治療は無関係であり、確実にリスクを上げることとは無関係であることが分かった。

「この研究はADHDてんかんを持つ子どもにとっての朗報です」とキムフォード・ミードゥーてんかん及び神経学教授・スタンフォードてんかんセンター長。「これで医師も適正量での治療を勧めることができるでしょう」

昨年米国で行われた80万人を対象とする大規模なコホート研究においても、 ADHDの薬物治療は、てんかんを発症している人、およびてんかんを発症していない人においても発作リスクを上昇させないことがわかった。

「小児のうちに『てんかんがあるから』と治療をためらって、成人になってから精神的な問題が生じたり、学業面での問題が生じたりすることよりも、適正な量の治療薬で治療を受ける方がメリットがあるのです」とキムフォード教授。

米国と欧州では、てんかんのおそれからメチルフェニデートなどの精神刺激薬をADHDてんかんを併発している患者に用いることをためらう傾向にある。「良い面ばかり見ようとすると悪い面が必ず目立ちます。当然、まれではありますが、てんかんが副作用として生じることは避けられません」とウィッグス博士。

頑健な結果:
「研究の大きな目的はサイズです」とウィッグス博士。「まずは研究サイズそのものが十分に大きなものである必要があります。私たちは“何もない”データを関連付けできないために、その解釈をすることがとても下手ですが、小さく関連が見やすいすぐに結論にたどり着ける研究を好みます。」

確かにスウェーデンコホート研究においてはてんかんの診断や類型については記載がないし、用いている抗てんかん薬や服薬状態についても情報がない。てんかん発作については病院と患者に関わる専門家に頼るデータに依存している、とウィッグスも認めている。

著者らはADHDの治療薬の医学的なガイドラインに記載されたように、てんかん発作が生じるかも知れないことを認めている。そのためにADHD治療薬のスウェーデンでの処方量も低下した。

「たとえADHDであっても、発作をコントロールできなくなったらどうしようと、リスクを考えて治療に踏み切れない人もいると思います」とトールビョルン・トムソン、カロリスンスカ研究所教授。「これらの研究結果はてんかんのためにADHDの治療に踏み切れなかった人を安心させるものです」

 

 

てんかん①てんかんの発症と記憶

僕のてんかんの話をしようと思います。

僕のてんかんの正確な病名は「特発性全般性強直間代発作」、てんかん症候群は「強直間代発作のみを示すてんかん」といいます。(全般発作というハンドルネームはここから来ています)

ただ、てんかんの話をしたくても、僕はてんかんの話を間接的にしかできません。

なぜなら僕のてんかん発作は発作前後の記憶が全く残らないものだからです。だいたい発作が起きた場合には発作前後の数日間の記憶が残りません。

じゃあ「そもそも自分が『てんかん』だと分からないんじゃないの?」と思われる人もいると思います。

そうです。自分だけでは何も分かりません。ただ外にいれば「気が付いたら倒れていて、怪我していて、ひどく疲れていて、身体中痛くて、眠くて、吐き気がして、頭痛がして、関節が痛くて、吐きそうで、フラフラする」という状態になっていることに気付くだけです。

安全な場所にいれば怪我していない状態になっているだけです。

発作が起きたということを誰が証言してくれれば話は別ですが、一人で勝手にけいれんしている場合がほとんどですから、目撃者を募ることは容易ではありません。

発作が起きた妻が目にした僕の発作の様子、母が目にした様子、発作が起きたらしく倒れたらしく目覚めて気が付いたら気持ち悪かったような記憶、職場で倒れたらしい記憶。

そういうものを組み合わせてようやく「てんかん」という診断を受け、治療を受けて安全な状態を確保できるようになりました。

ADHDの注意欠陥や多動と違い、心当たりはありました。陸上部の練習を終えて帰ってきていた時、家で寝ていた時、勉強していた時など。ただ、正確な発症年齢は分からないままでした。今でも全く分かりません。

てんかん薬(レベチラセタム、商品名イーケプラ)による治療を開始したのが、32歳の時でした。

ADHDと脳波検査について②脳波とfNIRSは客観的バイオマーカーとなりうるか

・日本において機能的MRIfMRI)の代わりとして広く用いることができるように研究が進んでいるのが機能的近赤外線スペクトロスコピー(fNIRS)である。NIRSといえばだいたいのものはfNIRSのことを指しているといって差し支えないと思われる。

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・fNIRSは開発当初はかなり眉唾物だと言われていた。当たり前だが脳の血流を測定するというのは解像度が滅茶苦茶に荒かったし、プローブの当たり方によっても像が見えにくかったし、製品の規格も雑だったからである。

・しかし、設備投資が安価(fMRIと比較すれば)で、かつ誰でもさっと使えるということは普及を後押しして、認知症超最先端国かつ発達障害の(実は)先進国である日本においてfNIRSの研究は圧倒的に進んでいる。(ただ、Pubmedを見ていて日本ばかりfNIRSの研究が出てくると、どこか外部の国や機関から妥当性を検証してもらえたりすることの重要性を感じずにはいられない)

 

・そして現在では、ADHDの客観的な診断補助方法として、fNIRSと逆ストループ再生課題を組み合わせた方法が非常に有用性が高いことが2年前に発表されている。(逆ストループ課題というのは「色を答えず単語を答える」というもので、「緑色で書かれているきいろ」はきいろを指せば良い。この間の反応時間の遅れと脳の血流量の関係を利用したものが診断予測につながるとされている。)


プレスリリース詳細 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

・プレスリリースによると、ADHDのバイオマーカーの探索のため、逆ストループ課題遂行中の行動及び前頭葉脳血流動態(fNIRS )に機械学習を適用して診断予測精度を検討した。(下図)

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・その検証のためADHD児170例、定型発達児145例のデータを用いた。その結果、感度88.7%、特異度83.8%、受信者操作特性(ROC)曲線下面積0.90の精度が得られた(図.2)。この結果から、機械学習を適用した抑制課題の評価法はADHD児の診断補助として有用性が高いことが示された。


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・本研究によって得られた知見を応用して、株式会社スペクトラテックとの共同開発を行い「おちつき度 測定装置」として、小児のおちつき度合いを短時間に測定することが可能なシステムの製品化に成功している。(注意:医療機器ではない)

・仮に「“脳波によって発達障害を診断する”」と言う医師がいた場合には、Θ波/β波比、前頭葉β波、MMN波、fNIRS、ストループ課題など、なにを併用して診断を下しているかを聞いた方がよいと思われる。いずれもまだそれらは「ADHDの診断補助」なのであって、確定された手順に基づいておらず、承認された診断方法ではない点に注意が必要である。(光トポ、発達障害、診断などの単語で検索するとバンバン出てくる)

・ただ、少なくとも、多くの人はADHD-RS+CAARS+臨床での様子(+配偶者、親兄弟、友人、昔の通知表、エトセトラの証言)で終わってしまうだろうから、それに加えて客観的な証拠が加わることは、疾病をある意味受け入れやすくなるのではないかという気もしないわけでもないので、そういう意味で自分のことを納得させたい人には勧めてもいいのかも知れない。(それに、機械は容赦も何もないので、弾かれたら納得できるだろうとも思えるので…)

ADHDについての個人的な気持ち1

(「脳波」とは言っているのですが実態としては「注意の過程」が「脳波」なので、たまに「脳波」について突っ込みを食らわないだろうかと思うことがあるのですが、僕らは脳の中でやり取りをするためには常に相手を見つけて物質を介して送り届けては電気を手渡しして、隣近所同士でやり取りをしなければならなくて、それが相手を見つけて物質を送り届けるところで地図自体がないのに出発して道に迷って隣近所にたどり着けないけども行動を変更できなくて爆発してしまうらしいのがASD、体力と行動力だけが有り余っている結果、無駄に運良くたどり着いても物質や電気を途中で無くしたりするのでやり取りが弱くなったり、しっちゃかめっちゃかになったりするので物事が積み上がって地層のようになって終わりが見えないというのがADHDというイメージです)

ADHDと脳波検査について①ADHDの客観的なバイオマーカーによる診断方法の研究の進展について

 

ADHDをもつ人の脳波所見では、徐波の増加やΘ波/β波比の高さが認められるとされている。米国ではΘ波/β波比と前頭葉β波測定によるADHDの診断補助ツール(Neuropsychiatric EEG Based Assessment eid:NEBA )を2013年にFDAが承認して企業が行っているが、米国神経学会は疑いを持っていて、その手法について検証した論文を出している。この論文では「脳波検査単独による評価は困難。医師は従来の医学的評価に加えて脳波検査を説明し行うべきである(should inform)」などとされている。

https://n.neurology.org/content/87/22/2375.short

 

・脳波は人間が生きている限り計測できるが、脳波の中でも事象関連電位(ERP)はその事象のみに限った一過性のものである。その中に、ミスマッチ陰性電位(MMN)というものがあり、これは注意が不要な条件下でも起きるため、前注意過程を反映すると考えられており、ADHDのバイオマーカーとして用いることができると考えられている。また、社会における報酬依存的な行動などの研究という視点からもADHDの行動と疾病についての理解が進められている。
https://fukuoka-pu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=106&file_id=22&file_no=1&nc_session=tca5h63633mimfdr8hlekf1dt1

 

ADHDの診断法は客観的なバイオマーカーで、かつ非侵襲的であるほど望ましい。
脳機能検査法のうち、頭皮上脳波周波数解析事象関連電位(ERP)や、近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)の研究成果がADHD診断におけるバイオマーカーに活用可能であるかどうかが近年企業や大学でも活発に研究されており、特にNIRSの研究は日本が先駆けている。fMRIよりも侵襲性が低い(長時間に渡って身体を固定したりしなくてもいいので、子どもにも大人にも負担が少ない)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn/49/4/49_243/_article/-char/ja

脳幹の大きさは神経発達障害の重症度と関連がある|Spectrumnews.org

「脳幹の大きさが自閉症スペクトラム障害ADHDなどの神経発達障害の重症度と関係している可能性がある」というニュース。

https://www.spectrumnews.org/news/traits-of-autism-attention-deficit-linked-to-small-brainstem/

→脳幹の早期の発達は神経生物学的な基板となっている、注意・睡眠・感覚処理・呼吸など、生存のためには欠かせない機能を担っていて、それらの異常は自閉症スペクトラム障害と関連があるという研究が報告されている。

→脳幹は神経伝達物質の主要センターでもある。脳幹を経由する神経伝達物質の放出に異常があれば、脳幹を持つ生物が生存することは非常に難しくなる。

→主なアセチルコリン投射は脳幹から起こり、覚醒・認知・記憶などを調節する。主なセロトニン投射は脳幹から起こり、気分・睡眠・不安・痛みなどを調節する。ドーパミン投射は主に脳幹から投射され、運動・喜び・報酬・精睡眠覚醒などに関与する。エピネフリン投射は脳幹から始まり、気分・認知・覚醒等に関与する。 

→脳幹以外の他の神経伝達回路もあるが、脳幹の機能が損なわれてしまうと、脳の機能は基本的に失われる。

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